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豆乳の飲み過ぎ注意は本当!?の話と原材料が同じ豆腐との健康効果の違いは?

豆乳を固めたものが豆腐。
だから、栄養価も同じでしょ?
そう思っている方、多いのではないでしょうか?
実は、私もそう思っていましたが…実際はちょっと違うようなんです。

日本を始めとして世界中で健康食として親しまれている豆乳と豆腐。
これら二つの食品には、意外と知られていない違いが存在しているんです。

そして「豆乳は飲み過ぎると危険!」なんてよく耳にしますよね。
これは豆腐も同じなのでしょうか?

今回は、豆腐と豆乳の栄養素の違いに焦点を当てつつ、
豆乳や豆腐の健康的な摂り方について探っていきたいと思います。

この記事は動画を作成し、YouTubeにて公開中です

▼チャプター
00:00 オープニング&テーマ紹介
01:23 豆腐と豆乳 栄養価の違い
03:28 製造方法はどう違う?
04:26 違いを生かす摂り方
05:28 イソフラボンが危険!?
08:03 今回のまとめ
09:27 豆腐・豆乳を圧倒する○○

豆腐と豆乳の栄養価の違い

さっそく結論から入りますね。

文部科学省の日本食品標準成分表(2020年版)から、それぞれの100gあたりの栄養価を比較しました。
なお、豆乳は「無調整豆乳」を、豆腐は「木綿豆腐」としました。

まずカロリーは、豆腐のほうが豆乳の1.7倍ありました。
そしてタンパク質は、豆腐が豆乳の2倍。
脂質も、豆腐が豆乳の2.5倍もありました。

炭水化物は豆乳のほうが多く2倍ありましたが、腸内を整える食物繊維は豆腐のほうが豆乳の5.5倍とかなり多いです。

続くミネラルも豆腐が圧倒していました!
便秘解消や高血圧を予防するマグネシウム、骨や歯の材料になるリン、味覚を守る亜鉛は豆乳の約2倍。
細胞のバランスを整えるナトリウムは4.5倍。
骨の材料となるカルシウムは6倍以上。
唯一、高血圧やむくみを改善するカリウムは豆乳のほうが豆腐よりも1.7倍ありました。

ここまでは豆腐がかなり優勢です。

そしてビタミンですが、抗酸化作用のあるビタミンEは豆腐が豆乳の約2倍。
カルシウムを骨に固定させるビタミンKも豆腐のほうが豆乳の1.5倍。
さらに疲労回復に良いとされるビタミンB1も豆腐が3倍と大きく上回りますが、その他のビタミンB群では、糖質や脂質をエネルギーに変換するナイアシンは豆乳が豆腐の2.5倍。
身体の組織をつくるために妊娠中は特に必要な葉酸も豆乳が2.3倍。
皮膚や粘膜の健康に作用するパントテン酸については、豆乳が14倍!という結果でした。

なお最後に、耳にしたことがある人も多いと思います。
女性ホルモンと同じ働きをする「大豆イソフラボン」は、同じ重さであれば豆腐のほうが1.4倍、豆乳よりも多いことが分かりました。

このことから、豆腐は豆乳を固めたものですが、液体と固体の違いでしかないと思いきや…大きく違うことが分かりました。

なぜこんなにも違うのでしょうか?

豆乳と豆腐の製造方法の違い

豆乳も豆腐も途中まで製造工程は同じです。

まずは大豆を洗い、汚れや土を洗い流します。
洗った大豆を3倍程度の水に一晩、浸します。
充分に水を吸った大豆は2~3倍の大きさに膨らみます。
この大豆を水と一緒にミキサーで粉砕してできたものを「生呉(なまご)」といいます。

これを火にかけて煮てから濾します。
濾された液体が「豆乳」。残った固形物が「おから」です。
ここまでが豆乳の製造工程です。

この豆乳をさらに75~80℃まで温めて、そこににがりなどの豆腐用凝固剤を入れ、固まったものが豆腐になります。

ですので、豆乳と豆腐の違いは…豆腐は再加熱をして、凝固剤を入れている点ですが、この過程によって、栄養価が大きく変わるのでした。
固めるので、豆腐のほうが濃くなるということなのかなと思いました。

次に、それぞれの栄養素を活かす食べ方について調べてみました。

豆乳と豆腐の違いを活かす摂り方

豆乳と豆腐ですが、それぞれの栄養価のうち「ビタミン」に着目しました。

豆腐に多かった「ビタミンE」「ビタミンK」ですが、これらは脂溶性、つまりは油に溶けやすく肝臓や脂肪に蓄積されるビタミンです。
ですので炒めたり、揚げたりして食べるとよいようです。
揚げだし豆腐とか、美味しいですよね?

一方、豆乳に多かったビタミンB群の「ナイアシン」「葉酸」「パントテン酸」ですが、こちらは水溶性、つまり水に溶けやすく体外に排出されやすい性質があるビタミンです。
ですので豆乳であれば、そのまま飲むのがよいようです。
あるいはスープであれば、溶けだしたビタミンごと摂れるので問題なさそうです。

そう考えると、栄養価においては豆腐に分がありましたが、摂取量として考えると、飲み物である豆乳のほうが多そうなので、それぞれ上手く使い分ければよいのだと思いました。

そして豆乳は危険と言われている件です。
これは豆腐についても同じなのでしょうか?

大豆イソフラボンが危険と言われる理由

豆乳にも豆腐にも「大豆イソフラボン」が含まれていますが、調べたところ、「摂り過ぎると危険」といわれるのは、この成分のことのようでした。

まず大豆イソフラボンは大豆の胚芽(はいが)に多く含まれる化学物質の総称です。
この大豆イソフラボンは、女性ホルモンである「エストロゲン」と化学構造が似ていることから、植物性エストロゲンと呼ばれているのですが、あまりに女性ホルモンと構造が似ていることで、体内で同じような働きをしてしまうことが危険だ、といわれる理由です。

これについては、様々な情報が混在していましたので、農林水産省が公表した「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」を参照したところ、

大豆イソフラボンのホルモン作用は、人においても骨粗しょう症、乳がんや前立腺がん等の予防効果が期待されるものの、一方では、乳がん発症や再発のリスクを高める可能性もあり、今も多くの研究が行われている段階であるため、その有効性と安全性の議論は確立していない。

とありましたので「つまりまだ分かっていない」ということですね。

また、日本人は豆腐、納豆、煮豆、みそなどを長きにわたって食べてきたことで、良質なタンパク質、カルシウムなどを得てきた長い食経験があります。
日本で行われた追跡調査の結果では、通常の食生活で大豆食品を食べることは、まったく大豆食品を食べない場合に比べて、健康に有益であることが報告されています。
もし、大豆イソフラボンによる悪影響を心配して大豆食品を食べることをやめてしまうと、大豆食品から栄養成分が得られなくなり、むしろ健康を損なう可能性もあります。

とありましたので「大豆イソフラボンが危険」という情報を真に受け、大豆製品を控えるのは、むしろ逆効果だということですね。

ただ、摂り過ぎについては、まだ分かっていないことが多いことからも推奨されていませんでしたので、その点は付け加えておきます

そもそも日本人は、古くから欧米人などに比べて大豆食品を多く食べていることから、日常的な食生活の範囲内で大豆食品からイソフラボンを摂取することを推奨していました。

その摂取量の上限は1日あたり70~75mg
これらのうち、豆乳であれば400mlなので「コップ1杯半」豆腐なら300gなので「約1丁」納豆なら100gなので「2パック」
他にも味噌や醤油を口にしているようなら、それらも踏まえながら、適正量を摂れば問題ないということでした。

それでは今回のまとめです!

今回のまとめ

豆乳を固めたものが豆腐だから栄養価も同じ。と思いきや…実際は違いました。

木綿豆腐と無調整豆乳を比較したところ、カロリー、タンパク質、脂質、食物繊維、ミネラルで豆腐が圧倒

ただ、豆乳もカリウムや水溶性ビタミンであるビタミンB群のナイアシン、葉酸、パントテン酸で豆腐を上回りましたが、大豆イソフラボンについては、豆腐のほうが1.4倍多くありました。

ただ、これらは同じ量の比較であって、豆乳のほうが飲みやすさで摂取量が多いので、両者引き分け、といった感じですが、そもそも、こんなに栄養価が違うのかと驚きました。

また食べ方ですが、脂溶性ビタミンが多い豆腐は、炒めたり、揚げたりすると吸収がよく水溶性ビタミンが多い豆乳は、そのままか飲むか、溶けだしてもビタミンも摂れるスープが良い、という違いがあることも分かりました。

そして豆乳は豆腐に含まれる「大豆イソフラボンを摂り過ぎると危険」という情報を多く目にしたのですが、それは大豆イソフラボンが女性ホルモンと似た働きをすることが影響しているためだったのですが、農林水産省が公表した情報を見る限り、まだまだ分かっていなことが多いため、とりあえず摂り過ぎは良くないが、日常的な食生活の範囲であるなら、むしろ大豆食品を摂取したほうが健康には良い、とのことでした。

最後に1つ、言い忘れた重要なことがあります。

今回、豆乳と豆腐の栄養価を比較しましたが、言い忘れていたこと。
それは、栄養価が高かった豆腐よりも、カロリー、タンパク質、脂質が2倍以上、食物繊維やカリウムが6倍、ビタミンB群でも豆乳や豆腐を圧倒。ビタミンKについては、豆腐の100倍もの栄養価を誇る大豆食品があったということです。

その食品こそ「納豆」です。
納豆については、粒納豆とひきわり納豆とで栄養価を比較しましたが、その数値は、豆乳や豆腐とは遥か別次元ともいえるレベルでしたので、興味がある方は調べてみてください。

参考にさせていただきました Thank you!