スーパーで買える納豆が安いと言われる理由

2024年5月21日

スーパーで買える納豆が安いと言われる理由

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冷蔵庫を開けると入っている納豆。
どことなく安心感がありますよね?

ただ、スーパーで売っている納豆はなぜ、あんなに安いのでしょうか?

納豆の原材料は、大豆と納豆菌だけですが、製造するには大豆を水に浸し、蒸し、発酵させるなど意外と時間と手間と、光熱費がかかります。

しかし、昨今の物価高でもスーパーにいけば1パック数十円で買えてしまいます。
なぜ、こんなに安いのでしょう?

調べてみたのですが、納豆が安いのには3つの理由がありました。

この記事は動画を作成し、YouTubeにて公開中です

▼チャプター
00:00 オープニング
00:34 チャンネル紹介
01:02 手間暇コストがかかる納豆
03:01 理由①大量生産が可能だから
04:40 理由②メーカーの競争が激しいから
06:02 理由③スーパーの目玉商品だから
07:32 納豆の市場規模は伸び続けている
09:32 納豆が安い理由のまとめ
11:09 先人の思いに感謝

儲からない納豆

そもそも、納豆はどのように作られるのでしょうか?

納豆は、大きく6つの工程を経てつくられますが、実は、かなり手間と時間がかかります。

  1. 大豆を水洗いして表面についた汚れを落とします
  2. この大豆を水に浸します。浸漬(しんせき)といいます
    →大豆の4倍程度の水に一晩(8時間程度)浸けると大豆は水分を吸って膨らみます
  3. 次に、圧力鍋で30分程度蒸すか、鍋で1時間半から2時間程度、煮ます
    →加熱することで水を吸った大豆が指で潰せるくらいの固さまで柔らかくします
  4. これに納豆菌を加えます。全体に広がるよう均等に混ぜ合わせます
    →納豆菌の量や混ぜ方で納豆の品質や味が左右されるため重要な工程です
  5. これを納豆菌の発酵に最適な38〜45度の温度帯で湿度を保ちながら、6時間から12時間、発酵させます
  6. 発酵させたら最後に約1週間ほど冷蔵庫で熟成させて、風味や粘りを増やします
    →これによって風味や食感が良くなります

材料は大豆と納豆菌とシンプルですが、水に浸して加熱して、温度を確かめ、菌を混ぜ、温度と湿度を保ちながら発酵させ、最後に冷やして熟成させ・・・、なかなか手間と時間がかかりますね。

しかし、スーパーや、業務スーパーで売っている納豆は安いですよね?
2023年1月の総務省の調査によると2023年1月の納豆1パックの平均価格は96円。
一般的にスーパーで売っている納豆などの日用品の利益率は約23%とのことでしたので、納豆1パックあたりで74円のコストがかかっている計算になります。

これではなかなか儲かりませんよね。
つまりは、かなりの薄利で成り立っているといえるわけですが、では、なぜ納豆はスーパーや業務スーパーで安く手に入るのでしょうか?
これには大きく3つの理由がありました。

納豆が安い理由 (1):大量生産だから

まず一つ目の理由として、大量生産が挙げられます。

納豆の大量生産は、現代は純粋培養した納豆菌を用いる製造が主流ですが、これは大正時代に納豆菌を研究していた北海道帝国大学の半澤 洵(はんざわ じゅん)博士が納豆菌の純粋培養に成功したことがきっかけです。

それまでの藁で包んで作る方法は非効率で、衛生面の問題があったそうです。

しかし、半澤博士が発明した「半澤式納豆製造法」によって、一度に多くの納豆を作ることができ、大量生産が実現しました。蒸した大豆に純粋培養した納豆菌の分散液をかけ、これを発泡スチロール容器や紙パックに充填して発酵させて、冷却によって発酵を止め熟成させるという、効率的な生産ラインが確立されたのです。

またこの製造方法によって、納豆の品質や味も向上しました。
純粋培養した納豆菌は、藁から採取した納豆菌よりも発酵力が強く、短時間で発酵させることができます。
また藁に含まれる雑菌やカビなどの混入を防ぐことで、納豆の風味や粘りを良くしました。

さらに、納豆は大豆を主原料としていますが、原材料の価格も安定していることもコストを抑えられる一因となっています。

大豆は世界的に生産されているため、価格変動が少なく、生産コストが抑えられます。
総務省の調査によれば、2015年1月〜2023年1月の期間で全国内の納豆が最も高かった最高値は100円で、最安値は94円とその価格差はわずか6円ですので、昨今の物価高であってもわずか4円しか値上がりしておらず、価格が安定しています。

納豆が安い理由 (2):メーカーの競争があるから

二つ目の理由はメーカー間による競争が激しいことです。

納豆メーカーは全国に約180社ほどあり、市場シェア(占有率)は、2社で過半数を占めます。
1位 「おかめ納豆」でお馴染み茨城県のタカノフーズ
2位  「金のつぶ」でお馴染み愛知県のミツカン

そしてトップの10社で市場シェア約80%を占めているため、業界集中度は高いのですが、これらのメーカーがシェアを獲得しようと競争していることで低価格が実現しているのです。

また各納豆メーカーは、安さ以外にも商品開発やブランド力を活かした差別化を図っています。

例えば、タカノフーズは「おかめ納豆 極小粒」で「おかめ」ブランドの知名度高め、「おかめ納豆 国産丸大豆」で国産丸大豆100%使用ともっちりとした食感という品質面を訴求し、「すごい納豆 S-903」では、森永乳業の乳酸菌を配合したタレによる納豆菌と乳酸菌で健康をサポートするなどの新商品を開発しています。

一方、ミツカンは「金のつぶ」「なっとういち」というブランドでタレや容器に独自のものを採用して、知名度を高めています。また「くめ納豆」というブランドでは国産大粒や北海道産小粒など、原料にもこだわった納豆を販売しています。

このように安さはもちろん、あらゆる面でメーカーがしのぎを削っています。

納豆が安い理由 (3):小売店の「目玉商品」だから

そして三つ目の理由は、スーパーや業務スーパーが集客のために安売りしているためです。

スーパーや業務スーパーは時に仕入れ値を下回る価格で売り出すことで、目玉商品として顧客に「競合店より安い」という印象を与えようとします。

この対象となる商品は、納豆のほかにも、豆腐や牛乳、ヨーグルトやパンなどがあり、
①あまり日持ちしなかったり、
②冷蔵が必要な加工食品であったり、
③比較しやすいよう価格が安定している、といった共通点があります。

この安売りは、他の商品の「ついで買い」や「まとめ買い」にもつながる効果が見込めるため、在庫管理のコストを削減する効果があり、薄利でも数で儲ける効果が見込めます

また、この戦略には、顧客の集客やリピート購入を促します。
価格の安定性が高い納豆は、例えば「おかめ納豆 極小粒」では100円前後、「おかめ納豆 国産丸大豆」では150円前後がおおよその価格帯と記憶されているため、これより安く感じさせることで購買意欲を高められます。

これは「心理的価格設定」というマーケティング手法の一つで、消費者が商品の価値を判断する際に影響する数字や単位を利用した価格設定によって、消費者に「安い」と感じさせる手法です。

こういった理由で、スーパーや業務スーパーでは、納豆がメーカーが希望する価格以上に安く売られることがあるのです。

以上の3つの理由でスーパーの納豆は安い訳ですが、この他にもう一つ、納豆が安くできる大きな理由がありました。

納豆が安い理由 プラスα:納豆は「売れる」から

納豆は「売れる」から
それが、納豆の市場が拡大している点です。

全国納豆協同組合連合会によると、2020年時点の納豆市場規模は、前年比8.3%増の2711億円と5年連続で過去最高を記録しました。

この背景には、納豆には「血液サラサラ」「肌の保湿」「アンチエイジング」などの効果があるといわれていることや、発酵食品ブームや、消費者の節約志向、さらに健康効果の高さが後押ししているようです。

また国立がん研究センターの発表によれば、納豆を日常的に摂取する層は死亡リスクが1割以上低下するという報道がされたことで、納豆の需要が一層増えました。

実際に納豆は、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富で、特にビタミンK2が注目されています。
ビタミンK2は、骨の健康を維持するだけでなく、心臓や血管の健康にも役立ちます。
また、納豆菌が作り出すナットウキナーゼは、血液の流れをスムーズにする効果があります。これらの理由から、健康を気にする主婦を中心に支持されています。

また低カロリーで栄養価が高い納豆は、満腹感を感じやすいため、ダイエットにも適しています。
たんぱく質が豊富で、筋肉を維持しながら脂肪を燃焼させる効果が期待できるだけでなく、また食物繊維が豊富で、腸内環境を整える効果もあり、便秘解消にも役立ちます。

さらに納豆には、糖尿病予防や、がん予防の効果も期待されています。
納豆に含まれるイソフラボンは、抗酸化作用があり、がん予防や老化防止に役立つとされています。
また2021年に、納豆に含まれる5-ALA【ゴ・エーエルエー】というアミノ酸がコロナなどの感染症に強力な抑制効果があることが長崎大学から発表されたことで、納豆の医療面での効果が期待されるようになりました。

つまり納豆は、健康食品であり、ダイエット食品であり、医療食としても「売れるようになった」ということです。
大量生産して安く販売しても、十分にそれを吸収する需要があるということですね。

まとめ

今日のまとめです。

納豆を作るには手間と時間、水道光熱費がかかり、メーカーが1パック96円で販売しても、コストが74円もかかっているので儲けは少ない。しかし、それでもスーパーや業務スーパーで納豆が安く売られているのには、

①納豆の大量生産が可能になったから

大正時代に発明された納豆菌の純粋培養によって、それまで非効率で衛生面で問題があった納豆の大量生産が可能になり、これに加えて原材料となる大豆の価格が物価高の昨今でも安定していることが安さを裏づけています。

②メーカー間の競争が激しいから

納豆メーカーは全国に約180社ほどあり市場シェアは、「おかめ納豆」のタカノフーズ、「金のつぶ」のミツカンの2社をはじめとしたトップ10社で市場シェア約80%を占めています。これらメーカーがシェアを争うことで低価格が実現しています。

③スーパーが目玉商品としているから

スーパーや業務スーパーは時に仕入れ値以下で目玉商品として納豆を売り出します。これによって顧客に「安い」と感じさせるためです。この安売りによって、他の商品の「ついで買い」や「まとめ買い」やリピート購入に繋げることが狙いです。

以上の3つに加えて、納豆の市場規模が伸び続けていることが大きいことが分かりました。
2020年には2711億円と5年連続で過去最高を記録。

その背景には、納豆の栄養面だけでなく「血液サラサラ」「肌の保湿」「アンチエイジング」といった健康面や医療面、ダイエットにも効果がある食材として注目されていることが、納豆の需要を大きく引き上げています。

以上の理由から、スーパーや業務スーパーで売っている納豆は「安い」のでした。

締めくくり

今は本当に安く、手ごろに、安定して手に入れることができる納豆ですが、明治時代までは稲ワラによる自然発酵に頼った不安定な食品でした。稲ワラには納豆菌以外の様々な雑菌も付着しているため、品質も安定しなかったそうです。

しかし、大正時代に稲ワラから納豆菌を分離培養することに成功したことで大量生産が可能になりました。
この製法を確立した北海道大学の半澤博士は、ヨーロッパの豊かな食生活に触れ、日本の食卓も豊かにしたいと考え、チーズをヒントに、それに劣らない栄養価をもつ納豆に注目したそうです。

そこから約1世紀。
先人たちの試行錯誤の末に大量生産されるようになった納豆は、日々、私たちの食卓を豊かに彩ってくれています。

ただ1つ、謎があるそうです。

それは、アジアで作られる納豆は様々な植物の葉が使われる中で、なぜ日本では稲ワラのみが使われていたのか?
これについては、今も解明されていないようです。

気になる方は調べてみてくださいね。

参考にさせていただきました Thank you!

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