食べてる蜂蜜は本物?偽物?知っておきたい見分け方
みなさん、はちみつは好きですか?
栄養価が高く、美容や健康にも良いといわれるはちみつですが、偽物といわれるものがあるそうです。
ミツバチが集めた花の蜜ではちみつは作られると思っていたのですが、一方で添加物で水増ししたはちみつがあるそうです。
甘さだけを求めるなら偽物でも問題ありませんが、美容や健康に良いと思ってはちみつを食べていたのに、実は偽物だったら?かなりショックですね。
このページでは、なぜはちみつに混ぜ物が含まれた偽物が出回っているのか?どのように本物を入手したらよいか?についてお話ししていきます。
この記事は動画を作成し、YouTubeにて公開中です。
▼チャプター
00:00 オープニング
00:49 チャンネル説明
01:30 はちみつに偽物が多い理由
04:09 偽物はちみつに含まれる添加物
07:02 無味無臭の精製はちみつ
09:37 本物はちみつ 3つの選び方
12:27 まとめ
14:37 最後に
はちみつに偽物がある理由
さっそくですが、はちみつに水増しされた偽物が出回る理由はなんでしょう?
調べてみたのですが、「圧倒的な需要に対して生産が追いつかない」点につきることが分かりました。詳しくは令和4年度の農林水産省の資料に書かれていたのですが、その内容に驚きました。
はちみつの国内流通量、約4万7千トンのうち国産はたったの6%と想像以上に少なかったのです。残りの約94%となる約4万5千トンが海外からの輸入ですので、つまりは国内生産量の16倍もの量を輸入に頼っていることになります。
また国産はちみつの99%は家庭用で、1%は香港などへの輸入ですが、当然それでは足りません。家庭用のはちみつの9割が輸入はちみつでした。
偽物のはちみつを買わないためには、ただ「国産を選べばよい」と思っていたのですが…9割が海外産となれば、そもそも近所のスーパーに国産のはちみつは置いていないかもしれません。
なお一般的な流通において、製菓・製パン、総菜、飲料、化粧品などの業務・加工用での国産はちみつの使用量はゼロ。つまりはちみつを使った飴やパン、総菜や飲料、化粧水などの製品は全て輸入はちみつを使用している、ということでした。こんなにも日本がはちみつ不足になっているとは、知りませんでした。
そんな国内状況の一方で、はちみつの需要は世界的に増加傾向にあります。
2021年のアメリカの調査会社によると、世界のはちみつ市場は2020年~2027年の間に4%以上の成長率が見込まれる、とのこと。
成長率が見込まれる3つの理由は、
・はちみつの健康効果に注目が集まっていること
・はちみつを使った飲料などに添加物として使用する商品が増えていること
・感染症を治す治療薬として医療分野の需要が拡大している
特にアジア太平洋地域で最も需要が高まると予想されているとのこと。 つまりは、中国や東南アジアですね。 すでにごく一部が香港に輸出されていますが、今後は国産はちみつの海外流出が増えていくかもしれません。
つまり生産量に対して 圧倒的に多い需要によって「はちみつは売れる」――これが水増しされた偽物はちみつが作られる理由だということが分かりました。
偽物のはちみつに含まれる添加物
ここからは水増しされた偽物のはちみつにどのような添加物が加えられるのか?についてお話ししていきます。
そもそもはちみつとは、花の蜜の成分であるショ糖(砂糖)が、ミツバチの唾液酵素などによってブドウ糖と果糖に分解されたもので、僅かなビタミン・ミネラル類・アミノ酸・酵素などの有効成分を含むものです。
某子供相談室で「はちみつはハチのゲ〇なのに、どうしてあんなに甘いの?」という質問があったそうですが、ハチは別に気持ち悪いわけではありませんので、バックから出し入れするような感覚ではちみつを生み出しているわけですが…これを水増しするためにシンプルに主成分であるブドウ糖と果糖などの糖類を直接加える方法があります。こうして糖類が加えられたはちみつを「加糖はちみつ」と呼ぶのですが、これでも60%以上の純粋はちみつが入ってっていなければ「加糖はちみつ」と名乗ることすらできず、60%以下のものは「はちみつ加工食品」と呼ぶそうです。
もちろん、加糖はちみつを混ざりものが一切ない「純粋はちみつ」と表記すれば、それは偽装です。
実際、2007年に約600点の「純粋はちみつ」を検査した結果、約2割に混ぜ物が入っていたことが問題になりました。つまりは「検査しなければ分からない」のがはちみつの厄介なポイントなのです。
さらに驚くべき方法がありました。
それはできたはちみつに添加するのではなく、そもそもミツバチに糖類や海外産の安いはちみつを食べさせてはちみつを作らせる方法です。
つまりミツバチを「フィルター」としてつかうわけです。こうすると、かなり実際のはちみつに近いものができるとか。このミツバチに糖類を食べさせること自体は、一般的に花の蜜が少ない冬に養蜂家がすることなのですが、そうではなくミツバチに過剰な糖類を与えて作らせたはちみつは、本来の花の蜜に含まれる有効成分も希薄な偽物といえるでしょう。
これについても厳密に検査すれば分かるようなのですが、やはり逆に検査しなければ、特に本物のはちみつの味を知らない人には「バレない」ということです。
このようにはちみつを水増しする添加方法には「後入れ」「先入れ」があり、関係者がやろうと思えばできてしまい、その判別は非常に難しく、そういった偽装が発覚するのは内部告発がほとんどなのだそうです。
ここでははちみつに加える添加物についてのお話でしたが、他にもはちみつの加工について驚いたことがありました。
加工されたはちみつ
はちみつにはこれまでお伝えした「純粋はちみつ」「加糖はちみつ」のほかに「精製はちみつ」というものがあります。
これは、はちみつを加熱することで香りや色などの一切を取り除いたもので、食品工場や飲食店などの業者向けのはちみつです。「精製」なんて聞くと、より純粋になったはちみつをイメージするかもしれませんが、そうではありません。「精製はちみつ」とはコンタクトレンズを洗う時に使う精製水と同じで、はちみつから色や風味、栄養成分など一切を飛ばした無味無臭のはちみつ由来の甘味料です。
この精製はちみつは主にはちみつ入りの飲料や飴、化粧品などに使われるとのこと。つまりこういった製品には、はちみつ由来の有効成分は期待できない、ということですね。では、なぜそうするのか?というと「実に工業的だな…」と思ったのですが、精製しなければ品質がブレてしまうからだとか。
そもそも、ミツバチが取ってきた花の蜜は地域などによって違いますのでブレて当然なのですが、それでは品質を安定できずに消費者からクレームが来てしまう可能性があり、商品として売れなくなる。
だから、そういった不純物の一切を取り除いてしまおう、という工業的な発想です。そして最終的に取り除いたはちみつの成分や風味、香りなどを後から加えてコントロールし、製造しているとのことでした。
食品工場によっては精製はちみつでないと加工を受け付けない所もあるそうです。
また、この精製はちみつについて気になる情報がありました。
それは2021年ごろに出された国内規格として用いられる全国はちみつ公正取引協議会が定めた「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」に【精製はちみつ又はローヤルゼリー、花粉、香料、果汁若しくはビタミンを加えたものも「はちみつ」に含む】と明記されていたこと。
確認したところ、現在はその一文が削除されているようでしたが、一度、有効成分を抜いたものに後から加えればはちみつですよって理論には、ちょっと首を捻ってしまう内容で、実際、多くの養蜂家の方がこの内容にに言及していました。
なぜ後になって削除されたのか?気になった方は調べてみてください。
本物のはちみつの選び方
本物のはちみつをどうやって見分けるのか、あらゆる情報を調べて「これは…」という3つの方法をピックアップしました。
※この判別は専門家でも難しいです。
【選び方1】はちみつ容器をひっくり返してみる
実際に手に取ることが前提ですが、はちみつの容器をひっくり返した時に、容器の底からすぐ液が滴り落ちるのは混ぜ物が入っているはちみつの可能性があります。 純粋はちみつに比べて偽物はしずくが水っぽい感じがすることが分かります。
他にも透明度が低く濁っていることや、淡い色であるものが本物、という情報もあったのですが、これはアカシアのように透き通った種類であれば透明度が高くなりますし、ソバやコーヒーの花から採れたはちみつはミネラル分が多いので茶褐色や黒に近い色になるようなので、一概にはいえない見分け方のようです。
【選び方2】はちみつの適正価格の相場について
安いはちみつよりも高い価格のほうが本物のはちみつという情報はあったのですが、具体的にいくらくらいが良いか?調べてみました。
令和4年11月の農林水産省畜産局のデータによれば、国産はちみつ卸売売価の目安は100g120円~250円と書かれていました。
ただ、実際の養蜂家の方のサイトには「燃料代、ビンやラベル代、人件費を考慮すれば日本製の純粋はちみつの価格は100g300円以上でなければボランティア」という声もありました。
少なくとも100g250円以上を相場観として頭に入れておくと良さそうです。
【選び方3】企業より顔が見える個人から買う
はちみつを販売する企業や、個人の養蜂家が販売している商品を見ながら気づいたことがあります。
それは「○○養蜂場」「○○養蜂園」といった いかにも国産はちみつのみを製造・販売していると思われる企業が、実際は中国産、ハンガリー産、カナダ産、ルーマニア産などの輸入はちみつを 結構、多く扱っていたことです。
意外だったので沿革を調べたのですが、どの企業もある時期を境に海外に生産拠点を出したなどの理由があることが分かりました。
オススメは多少割高になってしまうかもしれませんが、直接、ミツバチに接している国内の個人の養蜂家からの購入が責任の所在がハッキリしていて信頼できるように思いました。
おすすめの非加熱はちみつをご紹介します
はちみつ由来の酵素による抗酸化作用や免疫力を高める効果が期待できる非加熱のはちみつをご紹介します。
非加熱のはちみつを生産する人たちには自然のあるべき姿を尊重する信念があります。
ただ、産地・生産者・採取される年によって味わいが異なることや、生産コストがかかるため価格が高くなる点は覚えておく必要があります。
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今回のまとめ
偽物のはちみつが多い理由は「売れる」から
国産はちみつの割合は6%しかなく、そのほぼ全てが家庭用。
それでも足りないため家庭用はちみつの9割は海外産であること。
またはちみつを使った製品には全て輸入はちみつが使われていること。
今後、アジアを中心に世界的な需要の高まりにより、ますますはちみつ不足は深刻になり、 それによる過剰な需要が水増や産地の偽装などの偽物のはちみつを生む土壌となっていることをお伝えしました。
はちみつの偽装は非常にバレにくい
主な成分がブドウ糖と果糖のはちみつは、デンプンから作られる異性化液糖などの糖類によって容易に水増しができ、これを見極めることはプロでも難しく、検査でなければ明らかにならないため、今も見えないレベルで偽装がされている可能性があり、さらにはミツバチにエサとして糖類を与えてはちみつを作らせる手法もあるという実態をお伝えしました。
はちみつ製品には精製はちみつが使われている
飲料や飴、化粧品などには品質を安定させるために、はちみつの有効成分などをすべて取り除いた無色透明の精製はちみつが使われており、製造工程ではちみつらしさを出すために再び用意した有効成分を加える、といった不自然な方法で作られていることについてもお伝えしました。
「本物のはちみつの選び方」については3つの方法が
- 容器をひっくり返してみる
- 価格は100g250円以上を目安に
- 企業より顔が見える個人から購入する
それでも本物かどうか?を購入する前に100%見極めることは難しい、ということもお話しいたしました。
今後、ますます健康食としての注目が高く、関連製品も増え、医療分野からも注目されるはちみつ。
ちゃんと知ってから食べるようにしたいですね。
締めくくり ~参考サイト一覧~
手を伸ばせば気軽に食べることができるはちみつ。
ですが、みなさまが口にするティースプーン一杯が、1匹のミツバチが一生かけて集めるはちみつの量なんだとか。
そして、ミツバチがあれだけ多くの群れを成すのは、それだけ外敵や環境の変化、また病気などの様々なリスクを背負っているからで、私たちの思い通りに毎年、決まった量のはちみつが安定的に採れるようなことは自然界ではありえないのです。
今回、多くの養蜂家の方が書いたブログや動画を見ましたが、その自然に立ち向かいながらされる苦労は想像以上でした。そんな結晶をいただくわけですから、正しい情報を知った上で商品を選び、口にしたいものですね。
最後に、ある養蜂家の方が個人的な意見として書いていた言葉が印象的だったので紹介します。自然をいただくということは、つまりそういうことなのだと思います。
必ずしも全ての本物はちみつが加糖・加工はちみつより美味しいとは限らない。なぜなら、ミツバチが蜜を採ってくる植物によって匂いや味が大きく異なるから
- 農林水産省 生産局 畜産部
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/lin/sonota/attach/pdf/hachimeguji.pdf - 全国はちみつ公正取引協議会
https://honeykoutori.or.jp/ - 日本養蜂協会
https://www.beekeeping.or.jp/ - 浦添養蜂園
http://urasoe-apiary.sakura.ne.jp/index.html - 純粋はちみつ、精製はちみつ、加糖はちみつについて
https://www.myhoneyjapan.com/journal/2023/01/12/honeyguideline/#i2 - 本物のハチミツと本物ではないハチミツ
https://mitsubachi-note.jp/blog/2021/10/12/1018 - 武州養蜂園
https://bushu38.com/ - 水谷養蜂園
https://www.mizutani.co.jp/ - 草地家
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